膝の左右傾倒

講習記録

臨床講座

ちなみに、このブログで私が「講習」と書いてあるのは特別な例を除いては、操体法東京研究会主宰、三浦先生の講習を指している。

毎週日曜月二回一年の指導者養成講座と、臨床家向けの、実技時間が相当多い毎週土曜の臨床講座がある。こちらは月4回9ヶ月というなかなかハードな講習だ。それなりにやりがいもあるし、実力もつく。

それはさておき、

土曜の臨床講座では、前回膝の左右傾倒のバリエーションをやった。大抵は膝を揃えて左右に倒すというのしか知らないと思うが、膝の左右傾倒のバリエーションは結構多い。

休憩時間に、受講生のB君から「介助法が沢山あるけれど、その中からどれを選べばいいんでしょう」という質問を受けた。

「同じ膝の傾倒でも、これはどこに効くとかそういう区別はあるんですか」←ないない。

どうやら彼は例えば上肢外旋をやって快適感覚を聞き分け、味わったら次はどの動診を選べばいいのか、それでアタマをひねっているようだった。

いずれにせよ、習い始めの時は「どの動診を、どの順番にやるか」ということにアタマをひねるのだ。なので私も優しく(?)

「うんうん、みんなそこで一度はひっかかるんだよ」と答える。

「例えば、膝の左右傾倒も介助法が沢山あるよね。で、ある介助でやった動診できもちよさがききわけられるとするでしょう」

「で、回数の要求がないとして」

「そうすると、もう膝の左右傾倒はおしまい、と思ってない?」

そうらしい。

「そうじゃなくて、例えば膝の傾倒にも介助の方法がいくつかあるから」

「膝を傾倒するという動診に対して、快適感覚がききわけられやすいのでは?という予測をたてるわけ」

「だから別の介助で動診を通してもいいんだよ」

「同じ膝の傾倒でも感覚が違うから」

「そうすると、もし快適感覚がききわけられた場合、ちがうきもちよさなんだよね。これはいつも講習で体感してるでしょう」

「もし、膝の傾倒で快適感覚のききわけができた場合、極端な話、臨床全部を膝の傾倒でやってもいいわけ」

「・・・なるほど」

何だか謎が少し解けたらしい。

B君の疑問

講習の中で介助をかけ、動診をとおす練習をする。

B君は今回初めての受講だがその他は何回目か、あるいは

養成講座に参加したことがあるメンバーである。

慣れるのもいいのだが、何度も受講したり、実際操体をやっていたりすると、動診と操法の区別を明確にしないで、いきなり気持ちよさを味わってしまう場合がある。

つまり

・介助を与えて操者が被験者に動きを指示

・その動きに快適感覚があるのかないのかからだにききわける

(ここまでが動診で、被験者は操者の指導に従って動きをとる)

・快適感覚がききわけられたら、そこからが操法。

つまり、被験者はきもちよさに委ねてからだをあやつっても

いい。

というプロセスをとるのだが、迂闊に慣れているといきなり動診から操法に入ってしまう場合がある(勿論、慣れた間柄ならいいかもしれないが、講習という場で初心者がいる場合は気をつけなければならない。B君のように混乱するのだ。

B君の質問は、

「介助を与えて動診をしているのだから、患者は操者のいう通りに動いて感覚のききわけをするんですよね?」

「実技の際、AさんやCさん(共に講習経験者)は動診の動きからそれた動きになってるけど、あれでいいんでしょうか」

「あ。あれはね、慣れている私達がやってしまいがちなんだけど、実際人様を診るときは『いまの動きにきもちよさ、ここちよさがききわけらたら教えて下さい』って確認するわけ」

「で、確認するまでが動診。被験者(患者)は操者に介助と誘導に従ってからだをあやつり、感覚をききわける」

「快適感覚がききわけらたら、そこからが操法。あとはきもちよさに委ねればいいわけ」

「私と組む場合、そんなに変な動きにならないでしょう」

「これは講習で、まだ介助(動診)の段階であって、快適感覚をききわける(操法)までやってないからなんだよ」

「なるほど。謎がとけました」

B君の質問その2

Dさんと組んで介助の練習をしていたB君に対して、Dさんが

「わたし、こっち側に行きたいのに介助があってそっちに行きにくい」と言った。

これは、動診と操法の区別が曖昧であるか、自分の思いこみで動く場合発しやすい言葉だ。(こう動いたらきもちいいだろう、という思いこみがある場合だ)

先ず介助の意味を考える。

・動きの安定をはかる

・運動充実感を与える

・連動を促す

・感覚のききわけをうながす

というのがその目的だが、操者は患者(被験者)の動きに対して1.5秒遅れてついて行く

それが抵抗になるのである。

この場合、Dさんは「行きたいのに行きにくい」というよりは

『介助のちからが強い』とか『介助が早い』というように具体的にアドバイスすべきなのだ。

また、別の講習で、ある受講生がペアを組んで介助法を練習している時『いまのはきもちよかった』とかいう言い方をしていたので注意した。

些細なことであるが、将来操体指導者になりたいのだったら、絶対留意すべきポイントだと思う。

この場は介助の練習をしているのであって、感覚の聞きわけまでとらせていない。操法までとおしているのならともかく、その時に『今のはきもちよかった』という評価法はおかしい。

この場合も『今の介助の強さは丁度よかった』とか『ちょっと早かった』というように具体的な評価をすべきなのである。

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